このような人間生産スケジューラをコンピュータ化したい、という要望は昔からありました。人間生産スケジューラが病気で休むと工場は非常に困ります。退職が近くなっても若い人に簡単にノウハウを伝授することもできません。1994年当時、各工場専用に設計開発されたオーダメードの生産スケジューラは存在していました。その開発費用は5000万円から1億円以上かかりました。しかも、毎回各工場専用に設計していました。

このような状況では、コンピュータによる生産スケジューラは普及しないと私は思いました。そこで1994年、私は日本初の生産スケジューラの開発・販売会社を設立し、汎用型の生産スケジューラの開発を進め、現在の生産スケジューラAsprova(アスプローバ)が生まれ、全世界1200以上の工場(サイト)に導入されました。

前述の工場は、コンピュータによる生産スケジューラAsprovaを導入し、多品種少量生産における生産指示、納期回答、リードタイム短縮を実現しました。業界トップを維持するための秘密兵器として生産スケジューラがフル活用されました。