グローバル化が進展する中で、韓国企業や中国企業の躍進が目立ちます。GDP では中国が日本を抜き世界2 位になり、数年後にはインドが日本を抜くのは確実と言われています。また、中国やインドなど新興国のGDP の増大により、新興国の購買力が増大することは明白です。新興国の購買力が増大することにより、今後は新興国マーケットから儲けることが可能です。また、新興国の製造業も発展し、力をつけてきます。新興国の工場もサプライチェーンの中に入り、ある局面では協力し、ある局面では競合することになるでしょう。

 

このような環境下で、企業はグローバル競争に勝って、生き残っていくことが求められます。グローバル競争に勝つとは、どういうことでしょうか。シェア争いに勝つことでしょうか。そうではありません。シェアが高く売上が膨大でも、借入金が膨大で、利益率が低くては企業としての価値が低いと判断され、株価は下がり、企業価値は下がります。グローバルな資本主義社会における企業価値とは利益を出す(お金を儲ける)力です。よって本書では、「グローバル競争に勝つ」とは、「グローバル市場からお金を儲ける」こととします。

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