需要・供給の不確実性に対処するにはサプライチェーン全体の計画を立てることが必要です。需要・調達・生産・物流の予期しない変動の、サプライチェーンの他の部分への影響をコンピュータで計算します。それがSCP です。SCP は、各拠点の調達・生産・物流計画を計算し、サプライチェーンの計画の多頻度化、リードタイム短縮、適正在庫計画・在庫削減、可視化を可能にします。その結果、「売れる物を、売れる時に、売れるだけ、売れる所に、低コストで供給する」ことができます。
SCP への入力情報
前述のサプライチェーン例の図に、川下から需要(オーダ)を入力します。オーダには予測オーダ(18ヶ月程度)、内示オーダ、確定オーダ(購買オーダ)などがあり、段階的に確度が高くなります。これらのデータはSCP にマニュアル入力するか、または、ERP などの外部システムからインポートします。
SCP の処理
SCP は需要を入力し、サプライチェーンの川下から各拠点を通して川上に向かって、所要量展開をしながら需要連鎖をつくり、供給能力、生産能力、配送能力など各種制約条件を考慮しながら、時間軸に対してラフスケジューリングを行います。その結果、在庫補充のための購買オーダ(PO)や製造オーダ(MO)を自動生成し、生産の開始・終了、配送の開始・終了を算出します。これが供給連鎖になります。
SCP の出力情報
SCP における特筆すべきポイントは、リードタイム短縮、ロットサイズの適正化によるブルウィップ効果の抑制、在庫配置の適正化、可視化です。いずれも、「売れる物を、売れる時に、売れるだけ、売れる所に、低コストで供給する」能力を高めます。リードタイム短縮、ブルウィップ効果の抑制、在庫配置の適正化、可視化ついて、以下に説明します。