利益増大するには

 

Asprova SCM の設計目標は、ユーザ企業の利益増大です。本章は、Asprova SCM の先進技術が、いかに利益増大に貢献するかを説明します。利益増大については「グローバル競争に勝つSCM(Vol.1)」をご覧ください。

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Asprova SCM の先進機能として以下の6 種類の機能を紹介します。

Asprova Parametric BOM

Asprova Sheet/Pivot/Graph

Asprova FCS Turbo Engine

Asprova COM/Expression

Asprova Data Base Field Mapping

Asprova KPI

これらの先進機能と、企業の利益増大の関係を以下に説明します。

 

利益増大には、売上増大とコスト低減が必要です。売上増大には、

「多品種化」「納期遵守率向上」「納入LT 短縮」

が必要です。コストには、

「業務コスト」「物流コスト」「生産コスト」「調達コスト」「在庫コスト」

などがあり、それぞれを低減する必要があります。これらを実現するための要素として

「計画LT 短縮」「調達・生産・物流:トータルLT 短縮」「在庫削減」

があります。それを実現するためには、

「物流計画」「生産計画」「調達計画」「在庫計画」「オプション品計画」

を同時一気通貫に計算する必要があります。そのための機能として

「サプライチェーンのモデリング」「自動補充」「ロットサイジング」「供給配分」「調達配分」

「可視化 PSI 表、在庫グラフ、負荷グラフ、オーダガントチャート、資源ガントチャート」

などの機能があります。これらを実現するのが、上記のAsprova SCM の先進機能です。

 

Asprova SCM の先進機能は、以上のロジックにより、貴社の利益増大を支援します。

 

Asprova Parametric BOM

Asprova Parametric BOM は、オプション品の製造BOM の設定を可能にします。オプション品とは、オーダに複数のオプション(仕様)が指定される品目です。例えば、自動車では品目コードは、車種で指定しますが、オーダするときに、色、カーナビ、サンルーフ、シート生地などのオプションを指定します。オプションが多いと無限に近い組み合わせの製品パリエーションができます。製品パリエーションが多くなると、管理や所要量計算やサプライチェーンの前工程における見込投入のスケジューリングが難しくなります。

 

Asprova Parametric BOM により、オプション品をSCP することにより多品種化における管理とスケジューリングを容易にします。

[効果]→ オプション品計画、多品種化

 

Asprova Sheet/Pivot/Graph

Asprova Sheet は、マスタ、オーダ、SCP の結果を、Microsoft EXCEL と同様な表形式で表示します。担当者は、EXCEL の操作の慣れていることが多く、業務効率が向上します。

 

Asprova Pivot は、Sheet の内容を任意にグループ化しPivot 表示します。これにより、指定拠点・指定品目・指定タイムバケットのPSI 表を表示します。膨大なデータから納期遅れ・欠品などの問題点を即座に発見でき、業務効率が向上します。

 

Asprova Graph は、計画結果から在庫グラフ、負荷グラフ、オーダガントチャート、資源ガントチャートなどを表示します。

 

●在庫グラフ…拠点毎・品目毎の未来の在庫推移を表示します。

[効果]→ 欠品・納期遅れを即座に発見できます。

 

●負荷グラフ…各工場や各配送便の負荷率を表示します。

[効果]→ 負荷オーバーやボトルネックを即座に発見できます。

 

●資源ガントチャート…サプライヤ、工場、DC、顧客、配送資源のスケジュールをガントチャートで表示します。

[効果]→ 最も詳細レベルで、納期遅れの原因、ボトルネックの位置、負荷の状況などを理解できます。

 

●オーダガントチャート…オーダの紐づき状態とスケジュールを表示します。

[効果]→ 納期遅れを起こしたオーダを発見した時、オーダガントチャートを表示すると、納期遅れしたオーダに紐づいているすべてのオーダをサプライチェーン全体から探し出し、ガントチャートで表示します。これにより、納期遅れの原因を発見できます。SCP 上でwhat-if シミュレーションをすることにより、条件を変えたとき結果がどうなるかを確認し、納期遅れ対策を行います。これにより、納期遵守率を向上させます。

 

以上の可視化機能により、業務効率を向上し、問題を即座に発見、スピーディーな対策を講じます。

[効果]→ 業務コスト低減、納期遵守率向上

 

Asprova FCS Turbo Engine

Asprova FCS Turbo Engine は、有限能力で高速にSCP を実行します。SCP は、予測オーダを入力し、予測オーダと拠点毎・品目毎の在庫の紐づけを行い、在庫量が安全在庫を割込むタイミングを納期にして自動補充の購買オーダや製造オーダを自動生成します。他拠点から調達するときは購買オーダ、自工場で内製するときは製造オーダを生成します。この時、指定された通りにロットサイジングを行います。これにより、ブルウイップ効果を抑制し、サプライチェーン全体の在庫を低減させます。

[効果]→ 自動補充、ロットサイジング、在庫低減

 

Asprova FCS Turbo Engine は、サプライチェーン全体に渡り、一気通貫で物流計画・生産計画・調達計画・在庫計画を作成し、オーダの紐づき・同期化による待ち時間の短縮、物流手段の選択、サプライヤの選択、生産拠点の選択などにより物流・生産・調達に渡るトータルLT を短縮します。

[効果]→ 物流計画、生産計画、調達計画、在庫計画、調達配分、供給配分、物流・生産・調達トータルLT 短縮、納入LT 短縮、納期遵守率向上、在庫低減

 

Asprova FCS Turbo Engine のスケジューリングは高速です。通常のFCS エンジンは、データ量が多くなると一件のオーダ(や作業)を割付ける時の処理時間が増大しますが、Asprova FCS Turbo Engine は、データ量が多くなっても一件あたりの割付け処理時間は変わりません。

[効果]→ 計画LT 短縮

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高速なスケジューリングにより、計画LT を短縮させ計画の多頻度化が実現します。これにより、納期遵守率を向上させ、納入LT を短縮させます。計画にかかる手間や需給調整の管理要員を減少させ、業務コストを低減させます。

[効果]→ 計画LT 短縮、納入LT 短縮、業務コスト低減

 

Asprova Data Base Field Mapping

Asprova Data Base Field Mapping は、ERP など外部システムとのデータ連携を簡単に実現します。これにより、ERP からのデータを取り込んだSCP を実行できます。

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これにより、データ連携のためのプログラムの開発コストを削減し、開発期間を短縮し、かつ、システムの安定性を向上します。また、データ連携の自動化により運用時の業務コストを削減します。

[効果]→ 業務コスト低減

 

Asprova Expression/COM

Asprova Expression/COM は、Asprova SCM をユーザの要求に合わせたカスタマイズを可能にします。

 

Asprova Expression は、Microsoft Excel のようにセルに式(Expression)を入力するだけで、設定値を実行時に計算します。以下の項目がカスタマイズできます。

 

計画期間、割付期間、割付資源評価式、製造効率、ユーザ指定最早開始日時、割付オーダ絞込み、割付作業絞込み、ひも付け維持条件、かんばん枚数、コマンドのループ条件、着手余裕時間、納期余裕時間、資源割付有効条件、炉まとめ条件、購買リードタイム、ひも付け条件、在庫有効期間、使用可能在庫の判定、オーダコード・作業コードの生成方法、所要量計算、前後段取時間、製造時間、後段取り時間、工程セレクタの選択条件、タスクセレクタの選択条件、製造BOM 行の有効条件、スキル判定条件、 KPI 計算、インポート・エクスポート時のデータ変換、インポート・エクスポート時のデータ絞込み、テーブルやチャートの表示の絞込み、テーブルセルの背景色、文字色、アラート表示、ローカル時刻表示・入力

 

Asprova Expression により、従来、プログラム開発が必要なご要望でも、プログラムを開発することなく実現できます。導入時の開発コストの削減、導入コストの削減、開発期間の短縮、運用の自動化も図れます。

[効果]→ 業務コスト低減

 

Asprova COM を用いると、Microsoft Visual Basic などのプログラミング言語を用いて、プラグインを開発できます。Asprova Expression ではカスタマイズできないケースでも、プログラムを開発して、スケジューリングロジックや表示内容などを追加・変更できます。これにより、よりニーズにマッチしたシステムを低価格で構築できます。また、運用の自動化も図れます。

[効果]→ 業務コスト低減

 

Asprova KPI

Asprova KPI は、SCP の結果から、KPI(利益)を計算します。Asprova SCM の計画コマンドにより複数の計画シナリオを設定し、複数の計画シナリオを連続実行させ、計画シナリオ毎のKPI を計算して、比較表示します。計画シナリオの要素としては、生産配分比率、調達配分比率、物流便(トラック、船、飛行機)の選択、工場の残業休出条件などがあります。各計画シナリオ毎の利益・売上・費用の各項目が比較できます。SCP の計画担当者は、KPI を比較して、ベストな計画シナリオを採用します。

[効果]→ 利益増大