日本で大震災が起こり、日本の多くの製造業が打撃を受けています。中国の日系工場も例外ではなく、特に最終製品を製造しているラインでは、日本からの主要部品の調達のメドが立っていない状況です。
 このような状況下、現在、アスプローバを導入いただいている日系製造業で盛んに行われているシュミレーションは、残り少ない主要部品の在庫をどのオーダーに対して利用したほうがよいのか?また、その場合、他のオーダーにはどう影響するのか?といった材料制約上の対策になっています。
 危機管理は保険と同じで手厚くすればするほど、いざという時の影響を最小限に留められますが、それもコストとのトレードオフといえるでしょう。自社工場の“見せる化”とサプライヤーの“見える化”、ひいては今回の不測の事態では、他国の自社工場の見える化まで要求されます。では、高価なサプライチェーンソフトはこのような場合役に立つのでしょうか?答えはNOです。物理的なサプライチェーンが分断された状況の中では、従来のサプライチェーンソフトは無用の長物となります。
 当社の「AsprovaSCM」であれば、各工場の計画と実績の見える化を実現したうえで、各工場間の最適化を図ることができます。このほか、今回のような事態でも、各工場内の生産スケジューラである「AsprovaAPS」は、該当工場とサプライヤー間で正確な将来のシュミレーションを実現し、危機対応をサポートしています。これは、まぎれもない現実であり、あくまで「工場現場から」を合言葉に開発されてきた当社製品のメリットともいえるものです。
 今後は喧伝されてきたチャイナリスクだけでなく、ジャパンリスクも考えなければならず、その上での見える化の再構成が必要です。次回以降は、具体的なお客様の実例を挙げ、その効果を見える化させていただきます。ご紹介させていただく事例の概要は以下の通りです。
 ①中国国内に大きく生産シフトをしたメーカーがいかに今回の材料不足を乗り切ろうとしているか、②部品の調達率を100%中国国内にシフトしていたセットメーカーのこれからの戦略、③日本に学び高品質な部品を生産可能にした中国企業の生産システムの現状、④本国の指示で増産体制に入る欧米企業での生産スケジューラの需要と利用方法などです。
 最後に今回、震災に合われた方々にお悔やみを申し上げるとともに、これだけ日本の部品が世界にインパクトをもつ状況の中で、自信を持ち、かつ迅速に回復されることを、中国の地で期待し、祈っております。

 
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