サプライチェーンには供給制約、生産制約、配送制約などの制約条件があります。

 

供給制約

原材料の供給制約です。例えば、ある国で1000 台のPC の需要が発生したとします。しかし、キーパーツであるCPU の供給が不可能な時には、供給能力が制約になり、需要を満たすことができません。この場合、供給制約が需要への納期回答に影響を与えます。

 

生産制約

工場における生産能力の制約です。例えば、ある車種の車が急激に人気上昇し需要が急増しても、自動車の組み立て工場の能力に制限があるため、需要を満たすことはできません。数ヵ月後の納車という納期回答になってしまいます。この場合、生産制約が需要への納期回答に影響を与えます。

 

配送制約

拠点間の配送能力の制約です。例えば、トラックの定期便があるときに、そのトラックは10 トントラックだとします。すると10 トンが配送能力の制約になります。配送能力をオーバーした分は、次の便のトラックで配送することになります。すると、配送制約が配送先への到着日に影響を与え、さらに顧客への納期に影響を与えます。この場合、配送制約が需要への納期回答に影響を与えます。

以上の制約は、サプライチェーン上のすべてのサプライヤ、工場、物流ルートに存在します。これらの制約が、サプライチェーン上で「売れる物を、売れる時に、売れるだけ、売れる所に、低コストで供給する」ことの阻害要因となります。計画系SCM は、これらの制約条件をコンピュータ上に定義し、物流・生産・調達計画を作成します。