生産ラインの“見える化”は、工場管理者だけのものではありません。顧客が販売店であれセットメーカーであれ、工場への発注の進捗状況は、常に顧客に明らかにされていることが望ましいです。さらにいえば、現在の生産状況だけでなく、将来の計画も明らかな方がいいです。将来にわたっての納期回答が正確にできる製造業は、市場からの信頼感を獲得し、ビジネスチャンスが拡大するといえるでしょう。
昨年、当社の生産スケジューラを導入されたある中国工場は、わずか3カ月で納期回答率100%を達成し、これまで顧客満足度向上のため用意していた製品在庫の半減に成功しました。さらに米国からのバイヤーが同社の生産ラインを見学し、その後大きな新規取引が生まれたそうです。しかし、生産スケジューラを導入したすべての工場が同社のように上手くいっているとはいえません。一体、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
元来、生産スケジューラが工場の経営に貢献できるのは、投入から出荷までの工場ラインの領域のみです。営業の見通しが甘い企業、顧客の無理な要求をコントロールできないラインでは、コンピュータシステムが活躍できる余地はありません。生産スケジューラの導入はそうした工場に対し、現状ラインのボトルネックの“見える化”に貢献することができます。
ある精密機器製造の工場では、現状のデータによりプロトタイプを作成することで、現行の問題点を“見える化”することに成功しました。各工程担当者が進捗情報を共有することで、お互いの生産量の同期化を図り、作り過ぎを避け、仕掛在庫を大幅に減少させることに成功したわけです。またこのラインでは、さらなる生産効率の向上のために、前工程の専用ラインからワークショップラインへの変更、中間在庫の安全在庫管理、最終検査工程での小ロット化など、生産方式そのものをも革新することができました。
これらすべての改革は顧客の努力もありますが、生産スケジューラによるラインシュミレーションシステムが構築されていなければ実現できなかったともいえます。生産スケジューラは現状ラインへの生産指示だけでなく、生産シュミレーションとして利用することによりライン革新をも推進します。
当社では、毎月中国各地で生産革新に関わるセミナーを開催しています。実際に生産スケジューラを導入いただいたお客様の事例講演などもございますので、定期的に当社ホームページ(http://www.asprova.cn/)をご参照し、ぜひセミナーにご参加ください。