アスプローバ社は、1994 年以来一貫して工場向け生産スケジューラAsprova(アスプローバ)の研究開発を行っています。これまでに全世界1500 サイト以上に生産スケジューラAsprova は導入され、生産スケジューラにおける日本国内シェアは、48.8%(2009 年富士総研調査)です。この間、日本の製造業は海外に多くの生産拠点を設立しました。グローバルマーケットも大きく変化しました。日本の製造業が海外進出するにつれて、弊社も海外の販売・サポート体制を整備してきました。アスプローバ社は、中国・韓国・マレーシア・米国・ドイツに子会社を設立し、子会社の周りに30 以上の海外の販売パートナーによる販売・サポートネットワークを構築してきました。製造業がグローバル化されるにつれて、単一工場内の生産スケジューリングだけではなく、世界多拠点に跨る、サプライチェーン全体のスケジューリングに関するニーズが強くなってきました。そのニーズに応えるべく、2010 年、Asprova SCM(Supply Chain Management)をリリースしました。
グローバル化によってサプライチェーンにおいて何が変化したかというと、次の4 つがあげられます。
①需要のグローバル化、
②物流のグローバル化、
③生産のグローバル化、
④調達のグローバル化
です。
需要・物流・生産・調達は、相互に関連しています。
需要の変動が、物流・生産・調達に影響を与えます。
物流の変動が、需要(納期回答)・生産・調達に影響を与えます。
生産の変動が、需要(納期回答)・物流・調達に影響を与えます。
調達の変動が、需要(納期回答)・物流・生産に影響を与えます。
サプライチェーン計画(SCP :Supply Chain Planning)は、多拠点の需要・物流・生産・調達のスケジュールを同時一気通貫で計算するソフトウェアです。本書では、SCP が、いかに「売れる物を、売れる時に、売れるだけ、売れる所に、低コストで供給する」能力を向上し、「グローバル競争に勝つ」ことができるかを解説します。