母国日本で大きな地震が起こりました。中国工場には影響がないと考えていましたが、日本からのキーパーツが届かず生産に支障をきたしている工場、日本から多量の生産計画が移管され右往左往する工場など影響が出ています。今回は、日本の製造業の皆様のために当社として何ができるかを考えてみました。
当社は短期的な地震対策として、中国工場で構築中の「資材の見える化」システムを紹介します。90%の資材を中国現地工場から調達可能とした工場でも、キーの電子部品と化学化合物系の部品については日本から調達しています。これらの調達が滞ることで日本の5月の連休明けには製品出荷が止まるかもしれません。「AsprovaAPS」を活用し、資材調達の将来の見える化、直近の資材引き当ての変更作業とその影響のシュミレーションシステムを短期間で構築する試みを薦めています。
工場内が日本の工場と同様に対応に追われる中、あえてこのシステムを構築することが求められています。その途中経過と結果については、今後のこの連載で紹介する予定です。当社製品のユーザーにかかわらず、製造業のお客様のお力になれればと、個別の相談会を開いています。ぜひ下記連絡先にご相談下さい(E-mail=Info@asprova.cn)。
このほか、当社が地震を含むあらゆるリスクの長期的対策として、中国から世界工場の見える化を始める方法を提案します。日本国内での導入のテンプレートを作り上げても、海外でのシステムの導入には、ノウハウと経験が不可欠です。中国は広大であり、その中でのロジスティックの最適化は、世界のどの国での実現にも役立ち、狭い日本では実験できません。当社のお客様の多くが中国にアジア最大の工場を置き、世界展開を目指している日系製造業で、国内外は関係ありません。
見える化では、細かいことより、まずは大きくシステムの枠組みを作ってしまうことが成功の秘訣です。先日カットオーバーしたばかりの総経理とのお話も似たような内容になりました。お客様曰く、「ある意味で、中国工場で鍛えられた小異を捨て大同につくという精神的なたくましさが、難しいシステム構築を可能にした」とおっしゃっていました。
当社の「AsprovaSCM」は、グローバル生産を展開する製造業のPSI(P生産S販売I在庫)を可視化し、ロジスティックタイムやコストなどを勘案した上で最適な分散生産計画を立てる新製品です。長い間チャイナリスクが喧伝されてきた一方で、今回の地震でジャパンリスクを実感されたと思います。不測の事態を考慮し、リスク回避を図るグローバルな生産体制の確立が急務といえます。