今回は、生産スケジューラの導入に成功するためには、どのような準備が必要であるかについてお話します。工場の生産計画をシステム管理する需要は一段と高まっていますが、その導入はそう簡単ではありません。生産計画に沿った製造指示を行うには、まず実際の生産ラインの生産能力の適正な値を把握する必要があります。
 日々、生産に追われている生産ラインの生産能力を、品目ごとに確定することは決して容易なことではありません。当初は、概算した値を基に生産ラインを運用しながら、正確な生産能力の値を導き出すことが可能なソフトウェアパッケージを利用するのが効果的といえます。
 生産計画は、生産ラインの状況により、遅れや進みが出てきます。正確なリスケジューリングをするためには、正確な生産能力の値をシステムに入力することが不可欠です。精度の高いスケジューリングによる製造進捗情報は、生産ラインの見える化に直結し、生産管理者に正しいデータを提供することになるのです。
 また中国工場では、生産能力に問題がなくても、資材が足りないというアクシデントが多く発生します。生産スケジューラは、必要な時に必要な資材量を計算できますので、その情報を購買先へ提供することで、余計な在庫をもたない経営を実現している企業もございます。
 ただしこの場合も、生産計画が適切に立てられていること、理論在庫が実在庫と合っていることが条件で、それなりの管理レベルに達しないと不可能です。
 このように、生産スケジューラの導入の前提条件とそれに伴う準備は、生産ラインを見える化し、工場の管理レベル向上に繋がる結果を生み出します。掛け声だけで生産実績や入出庫情報を適正化するといっても実現しないのが中国の工場です。
 多くのお客様が生産スケジューラの導入を契機に、PDSCのルーチンを循環させ、海外という異文化の中でも成果を上げている例がございます。ご要望いただけましたら、それら事例のお話をしにご訪問させていただきます。

 1月6日に中国のポータルサイト畅享網の主催による中国商用軟件受賞大会が開催され、その中の製造業分野で、当社がTOP10に入り、受賞しました。詳細は、(http://portal.vsharing.com/k/others/2011-1/639873_2.html)をご覧ください。

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