前回、生産スケジュール管理システム、「Asprova」の導入では、まず何を見える化するのか的を絞る必要性を訴えましたが、今回はこの方法により成功した中国の民営メーカー、思源電気股份の事例を解説します。
同社は事業拡大を目指していましたが、従来のエクセルで管理する生産計画では、生産指示と進捗管理が進みませんでした。また、Asprova導入の検討時期の当初も、現状システムの踏襲や総花的な問題点の解決という観点で、なかなか導入に踏み切れませんでした。しかし、トップの強い意志とスタッフが共有する“失敗を許さない”という企業文化に支えられ、導入目的の絞り込みを行い、結果的に大きな成果を生みました。
同社が「生産ラインの見える化」において絞り込んだ目的は、現状の問題点の可視化とその先に見えるあるべき姿の共有化でした。生産量が急拡大を見せる生産ラインでは、製造のみに力点が置かれ、その進捗や納期管理がなおざりにされる傾向がありますが、そのようなラインの先にあるのは、在庫の山という結果です。
生産ラインには、現在の進捗在庫の見える化のほかに、将来計画におけるラインの負荷や設備投資の判断を予測し備えることも必要です。Asprovaは、同社の取り組みのように、継続して利用し、そのマスタデータの精度向上に合わせた正確な中長期シュミレーションの構築が可能です。目前の生産ラインだけでなく、将来にわたるライン状況の見える化は、コスト削減にとって必要不可欠です。
同社の工場では、Asprovaの導入により、年間コスト55万元を削減し、1年でシステムの初期投資を回収しています。生産ラインには、人件費や原材料費用のほか、このようなシステム投資も行われます。金額による効果の明確化は、次の投資のための重要ポイントです。
昨年の当社ユーザー会で発表いただいた同社には、今年1月21日の当社上海でのカンファレンスでもその後のシステムの拡張について講演いただきます。お客様の生の声を聴く機会ですので、ぜひ当社ホームページ(www.asprova.cn/class.asp)よりお申し込みの上、ご参加ください。

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