段取り時間


段取り時間は製造タスクの前に割付けられる前段取り時間と、製造タスクの後に割付けられる後段取り時間の2つがあります。

前段取り時間

前段取り時間は以下の設定によって決まります。

A1静的段取り製造BOMテーブルの「前段取り」プロパティその作業の製造タスクを開始するための段取り時間を定義します。
A2資源テーブルの「前段取り」プロパティその作業の製造タスクを開始するための段取り時間を定義します。
B1動的段取り
(前後依存段取り)
品目段取りテーブル前作業の主産物品目、後作業の主産物品目の組合せに依存する段取り時間を定義します。品目の切替段取りのことです。
B2資源段取りテーブル前作業の資源、後作業の資源の組合せに依存する段取り時間を定義します。治具の切替、作業員の交代などでかかる段取り時間のことです。
B3仕様n段取りテーブル (n = 1,2,3,4,…)前作業の仕様、後作業の仕様の組合せに依存する段取り時間を定義します。
C1上書き作業のユーザ指定前段取り時間A1、A2、B1、B2、B3から算出される前段取り時間を上書きします。
C2COM IF の EIIFilterCalcDurationA1、A2、C1から算出される前段取り時間を上書きします。
C3COM IF の EIIFilterCalcCombinationSetupDurationB1、B2、B3から算出される前段取り時間を上書きします。
C4計画設定の「同一品目の段取り時間をゼロにする」主資源上で主産物品目が同じ場合、A1、A2、B1、B2、B3から算出される前段取り時間をゼロにします。
C5計画設定の「同一分割作業の段取り時間をゼロにする」主資源上で分割作業ルートが同じ場合、A1、A2、B1、B2、B3から算出される前段取り時間をゼロにします。

B1、B2、B3は資源の時系列上で隣り合う作業との組合せ毎に段取り時間を定義するテーブルです。このような段取り時間を動的段取り時間または前後依存段取り時間と呼びます。
それに対してA1、A2は隣り合う作業に依存しない段取り時間を定義するので、静的段取り時間と呼びます。
C1、C2、C3はA1、A2、B1、B2、B3で定義した段取り時間を上書きします。


後段取り時間

後段取り時間は以下の設定によって決まります。

X1 静的段取り製造BOMテーブルの「後段取り」プロパティその作業の製造タスクが終了した後の段取り時間を定義します。
X2資源テーブルの「後段取り」プロパティその作業の製造タスクが終了した後の段取り時間を定義します。
Y1上書き作業のユーザ指定後段取り時間X1、X2から算出される後段取り時間を上書きします。
Y2COM IF の EIIFilterCalcDurationX1、X2、Y1から算出される後段取り時間を上書きします。
Y3計画設定の「同一品目の段取り時間をゼロにする」主資源上で主産物品目が同じ場合、X1、X2から算出される前段取り時間をゼロにします。
Y4計画設定の「同一分割作業の段取り時間をゼロにする」主資源上で分割作業ルートが同じ場合、X1、X2から算出される前段取り時間をゼロにします。

 

前段取り時間の計算方法

前段取り時間は、A1、A2、B1、B2、B3で定義される段取り時間の合計値にするか、最大値にするかを選択できます。
計画設定の「段取り時間計算方法」で選択します。

計算方法計算式意味
1最大値Max( (A1 or A2), B1, B2, B3)最初に見つかった静的段取りとすべての動的段取りの最大値
2合計値(A1 or A2) + B1 + B2 + B3最初に見つかった静的段取りとすべての動的段取りの合計値
3最大値(動的段取り1つのみ)Max( (A1 or A2), (B1 or B2 or B3) )最初に見つかった静的段取りと最初に見つかった動的段取りの最大値
4合計値(動的段取り1つのみ)(A1 or A2) + (B1 or B2 or B3)最初に見つかった静的段取りと最初に見つかった動的段取りの合計値

A1 or A2 はA1、A2の順番で設定を探索して、最初に見つかったものを1つ適用することを意味します。
1と2はVer.9.0.4.0の新機能であり、Ver.10制限機能です。

例えば以下のような設定であったとします。

製造BOMテーブル

品目工程番号工程コード指図コード前段取り製造後段取り
A10P1M10  

資源テーブル

コード前段取り製造後段取り
R51mp10

品目段取りテーブル

資源コード前品目後品目段取り時間
R**30M

資源段取りテーブル

資源コード前資源後資源段取り時間
R**60M

仕様1段取りテーブル

資源コード前仕様前仕様段取り時間
R**90M

作業OP1とOP2が資源、R、S1、S2に以下のように割付くとします。

 

このときの作業OP2の、段取り時間の計算方法別の前段取り時間は以下のようになります。

計算方法計算式結果
最大値Max( (A1 or A2), B1, B2, B3)Max(10分, 30分, 60分, 90分)=90分
合計値(A1 or A2) + B1 + B2 + B310分+30分+60分+90分=190分
最大値(動的段取り1つのみ)Max( (A1 or A2), (B1 or B2 or B3) )Max(10分, 30分)=30分
合計値(動的段取り1つのみ)(A1 or A2) + (B1 or B2 or B3)10分+30分=40分

例えば、その資源を使用するときに常に必要な準備時間を製造BOMテーブルの「前段取り」に設定し、治具の切り替え時間を資源段取りテーブルに設定し、品目が切り替わった時に発生する設備への投入にかかる時間を品目段取りテーブルに設定した場合、この3つの段取り替え作業が並行作業で行える場合は「最大値」を設定し、並行作業できない場合は「合計値」を設定します。(動的段取り1つのみ)については以下の資源段取りの説明をご覧ください。


品目段取りテーブルから

作業が割り付いている資源、前作業と後作業の出力指図の品目コードを品目段取りテーブルから検索して段取り時間を決めます。
品目段取りテーブルが次のように記述されているとします。

資源前品目後品目段取り時間並び順
***51.0
R1==02.0
RG1IG1I3;I473.0
R1;R2I1I2154.0
R1;R2I2I1105.0
R1!I1106.0

※RG1は資源グループ、IG1は品目グループを表すものとします。

最初のレコードは「すべての資源上において、すべての品目からすべての品目への段取り時間は5分」であることを表します。 *は「すべて」を意味します。
2番目のレコードは「資源R1上において、同一品目間の段取りは0分」であることを表します。
=は相手と同一であることを表し、両方が=の場合は互いに同一であることを表します。
3番目のレコードは「資源グループRG1のいずれかの資源上において、品目グループIG1のいずれかの品目からI3またはI4への段取り時間が7分」であることを表しています。
3番目、4番目、5番目のレコードのように、複数列記やグループを記述することが可能です。
6番目のレコードのように前品目に!が設定されていると、左側に作業がない場合を表します。資源ガントチャートの一番左の作業が該当します。
資源R1上でI1からI2へ移るときの段取り時間を調べる場合、1番目のレコードと4番目のレコードがマッチするため一意に定まりません。
そこで各レコードの並び順を指定すると、並び順が大きいものから検索して最初にマッチしたレコードが採用されます。
一般に、並び順の小さいレコードには一般的な内容、例えばデフォルトの設定を記述して、並び順が大きいレコードには特殊な設定、例えば特定の品目に関する記述をしておけばいいでしょう。

また、Ver.9.0.4.0から、記号「!=」が使えるようになりました(Ver.10制限機能)。これは、前後の作業の品目が異なったら、を意味します。ですので、以下の資源R3とR4の設定は同じです。

資源前品目後品目段取り時間並び順
R3**71.0
R3==02.0
R4!=!=71.0

前品目、後品目に指定する特殊文字列 *、=、!=、! は、以下の組み合わせで使用可能です。下記以外の組み合わせは設定しても無視されます。

特殊文字列組み合わせ可能なもの
**、品目グループ、品目、!
!*、品目グループ、品目
==
!=!=

 

また、資源に「前段取り時間効率」プロパティが設定されている場合、前後依存段取りテーブルの資源に設定してあるものが適用されます。

以上の設定方法は、他の段取りテーブルにも共通です。


仕様n段取りテーブルから(n=1,2,3,4・・・)

作業が割り付いている資源、前作業と後作業の出力指図の仕様nを仕様n段取りテーブルから検索して段取り時間を決めます。
あとは品目段取りテーブルの場合と同様です。


資源段取りテーブルから

主資源か副資源かを問わず、ある資源から見て、使用しているほかの資源が切り替わる際の段取り時間を定義します。

資源段取りテーブルで以下のように設定すると、

資源前資源後資源段取り時間並び順
RX1X210 

以下のように作業OP1からOP2に移る時に副資源がX1からX2に切り替わる時に段取り時間(10分)が発生します。

 

指図コード別の資源段取り時間 (Ver.15制限機能)

通常、各前後依存段取りテーブルからは1つのオブジェクトを選択しますが、指図コードを指定して段取り時間を指定すると複数の資源段取りオブジェクトを選択することが出来ます。以下の例では、指図コードS1、S2ごとに資源段取りを定義しています。

例えば、S1は金型、S2は作業員の指図であり、金型と作業員のそれぞれの切替に要する時間を合計したい場合に以下のように定義します。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
RS1X1X210 
RS2Y1Y220 

作業OP1、OP2が下図のように割付いた場合、前段取り時間が以下のように発生するとします。

 

このとき、指図コードS1(金型の切替)とS2(作業員の交代)による段取り時間は以下のようになります。

計画設定の段取り時間計算方法計算式
「合計値」または「合計値(動的段取り1つのみ)」10分+20分=30分
「最大値」または「最大値(動的段取り1つのみ)」Max(10分,20分)=20分

資源段取りテーブルの中に、新たに指図コード別に資源段取りテーブルができたと思っていただくと理解しやすいかもしれません。
つまり、以下のようになります。

計画設定の段取り時間計算方法計算式
「合計値」または「合計値(動的段取り1つのみ)」静的段取り+品目段取り+仕様1段取り…+仕様n段取り+資源段取り(S1)+資源段取り(S2)
「最大値」または「最大値(動的段取り1つのみ)」Max(静的段取り,品目段取り,仕様1段取り,…,仕様n段取り,資源段取り(S1),資源段取り(S2))

 

その他に指図コードを使用すべき例を挙げます。

例えば指図コードを指定せずに以下のような設定をしたとします。資源の切替が発生したら段取り時間が発生するという意図です。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
R !=!=10 

しかし、この設定だと作業OP1、OP2が以下のように割り付いたとき、各指図コード毎に見ると資源は切り替わっていませんが、資源Rから見るとX1→Y1、Y1→X1の切替が発生したとみなされ、段取り時間が発生します。

 

以下のように指図コードを指定すれば、前段取り時間は発生しません。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
RS1!=!=10 
RS2!=!=10 

 

また、以下のように「指図コード」にセミコロン区切りで複数の指図コードを指定したり、「*」を指定したりしても段取り時間は発生しません。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
RS1;S2!=!=10 

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
R*!=!=10 

サンプルデータを用意しています。サンプルA-2をご覧ください。


計画設定の「資源段取り時間選択方法」(仕様変更タブ)

※ このプロパティは過去のバージョンの仕様との互換性を保つためのものです。基本的には「並び順」に設定するか、「指図コード」プロパティを指定して指図コード毎の段取り時間を定義するようにしてください。

上記の例で、今度は指図コードを指定しなかった場合を考えます。
このとき、資源段取りオブジェクトは資源段取りテーブルから1つだけを選択しなければいけません。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
R X1X2101
R Y1Y2202

計画設定の「資源段取り時間選択方法」 
並び順資源段取りテーブル内で「資源」プロパティが該当する資源段取りオブジェクトを全て探索し、「並び順」がもっとも大きいもの選択します。→20分
出現順資源段取りテーブル内で「資源」プロパティが該当する資源段取りオブジェクトを探索し、最初に見つけたものを選択します。→10分

「資源段取り時間選択方法」プロパティは、Ver.8.0.2以降の機能です。それまでのバージョンでは「出現順」で資源段取りオブジェクトを選択しています。


計画設定の「段取り時間計算方法」の「最大値(動的段取り1つのみ)」「合計値(動的段取り1つのみ)」

※ このプロパティの列挙子も過去のバージョンの仕様との互換性を保つためのものです。Ver.10以上のライセンスをお持ちであれば、「最大値」または「合計値」に設定するか、「指図コード」プロパティを指定して指図コード毎の段取り時間を定義するようにしてください。

隣り合う作業間での資源の切り替わりを全使用指図でチェックするか、もしくは主資源から順番にチェックして見つかったら終了とするかで設定します。

例えば、資源段取りテーブルで以下のように定義されていたとします。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
X R1R2101
Y R1R2302

さらに製造BOMにて指図コードS1、S2にて前段取り時間が定義されていたとします。
この場合、作業OP1、OP2が割り付くとOP2に前段取り時間が発生します。


前段取り時間には上記の2つの資源段取りオブジェクトが該当しますが、指図コードが指定されていないので資源段取りテーブルから1つの資源段取りオブジェクトを選択しなければいけません。

計画設定の「段取り時間計算方法」 
「合計値」または「最大値」該当する全資源段取りオブジェクトの並び順がもっとも大きいもの選択します。→30分
「合計値(動的段取り1つのみ)」または「最大値(動的段取り1つのみ)」兄弟番号の小さい順に使用指図の資源を取得し、その資源の該当する資源段取りオブジェクトをテーブル内で探索します。上図の例だとM→S1→S2の順番で資源段取りオブジェクトを探索します。→10分

 

「!=を指定した時」と、「*と= を指定した時」の違い

以下のように設定すると、資源切り替えが1つでも発生していれば、段取り時間が発生するようになります。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
* !=!=101

 

似たような設定で、並び順を指定して以下のようにした場合、計画設定の「段取り時間計算方法」を「最大値」または「合計値」に設定して、全使用指図での段取り時間を計算するようにしても、どこか1つの使用指図で同じ資源が連続していると1行目の段取り時間=0秒の資源段取りオブジェクトが選択され、前段取り時間が発生しなくなってしまいます。

資源指図コード前資源後資源段取り時間並び順
* ==02
* **101


ですので、そのような場合は!=を設定してください。


外段取り時間

製造タスクの使用指図が割り付いている資源とは異なる資源に出す段取り時間を外段取り時間といいます。(対して、製造タスクの使用指図が割り付いている資源と同じ資源に出る段取り時間をうち段取り時間と呼びます)

外段取りの設定は以下のようになります。

製造BOM
品目工順工程コード指図種別指図コード品目/資源前段取り製造
ItemA10Pr1使用指図M設備1 10mp
ItemA10Pr1使用指図I外段取り設備60m 

上記の例だと、設備1の外段取り時間は60分で外段取り設備に割付きます。


作業からの前後依存段取りへのリンク

作業には、適用している前後依存段取りオブジェクトへのリンク情報があり、プロパティウィンドウのリンクタブで確認することができます。
以下の作業は品目段取りが適用されているので、前後依存段取りオブジェクト(品目段取り)に情報が設定されています。


前後依存段取りオブジェクト(品目段取り)の黒矢印をクリックすると、その品目段取りオブジェクトにジャンプします。


※実際の段取り時間は、リンクしている前後依存段取りオブジェクトだけでなく、段取り時間の計算方法などにも依存します。



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