1994年当初の生産スケジューラの開発は、パソコンで生産スケジュールが簡単に作成できれば、人間生産スケジューラの仕事はなんと楽になるだろう、という発想から始まりました。当時は汎用の生産スケジューラは無く、したがって、お手本となる製品や教科書もありませんでした。パソコンの性能も低く、生産スケジューラを開発する前提が整っていませんでした。しかし、この十数年で環境は大きく変化しました。パソコンの性能は飛躍的に向上し、かつ、生産スケジューラのノウハウの蓄積も十分になり、100点とはいきませんが、大規模なスケジューリング問題に、高速に答えを出すことができるようになりました。

「この100点とはいきませんが」という点に、生産スケジューラの一つの特殊性があります。たとえば、10個の作業の並べ方の種類は、10! (10の階乗)=3628800通りあります。100個の作業の並べ方は100! ≒10158通りあります。実データの生産スケジューリングでは10000以上の作業を扱いますので、厳密な最適解を限定された時間内に求めるのが、いかに困難かがご理解いただけると思います。ちなみに、、10000! ≒1035660 です。

Asprovaは、大量データの生産スケジュールを超高速に計算できるように設計されています。厳密な最適解ではありませんが、高速に計算された生産スケジュール結果を人間が見て(見える化)、コンピュータでは不足している部分を人間が補うことにより、現場に出せる生産スケジュールを作成するほうが現実的です。いずれにしても、コンピュータの高速性は使わない手はありません。生産スケジューリングはスピードが命です。