私はこれまで日系製造業の100を超える中国工場のシステム導入を経験してきましたが、そこから「見える化」に成功する会社とそうでない会社の共通点が見えてきます。

「見える化」に成功する会社の共通点
●日本人総経理のトップダウンの命令が現場の中国人まで徹底されている

●現場の中国人のリーダーがメンバーの意見をまとめることができる

●導入するシステム会社に日本人側と中国人側の人間がいる

●プロジェクトの進捗管理が日本語と中国語の両方で行われている

●日本本社からの支援がある場合は、それが1年以上継続される

 逆に失敗するプロジェクト環境は上記の反対ともいえますが、必要な心構えは、中国では情報システムは小さく入れて大きく育てるという姿勢です。拙速なシステム導入は失敗に終わるケースがほとんどです。
 生産スケジューラ導入の場合は、生産が拡大し、エクセルなどの人手によるシステム管理が間に合わなくなってからでは遅いのです。早い段階から先を見越して調査、準備をし、プロトタイプを作るなどの事前の準備で成否が決まるといっても過言ではありません。

3カ月で生産スケジューラを導入し、半年で効果を出したお客様例
 最短で最高の導入効果を実現した、当社のあるお客様の例を紹介します。このお客様は10年間、日本で当社の生産スケジューラを継続して使用した経緯がございました。この実績もバネに3カ月で導入を完了し、日本の生産ラインとともにシステムも中国に導入移管、日本のメンバーも半年に渡って中国工場を支援しました。
 その結果、生産リードタイムと在庫の半減、見える化を実現して100%の納期回答率を達成しています。新規工場の立ち上げとともにシステム導入というお客様でしたが、現地で日本人、中国人とも協力して工場利益を上げています。現在もプロジェクトチームは解散せずに、毎月テーマをもってシステム改善を続けています。

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