これまでは主に工場内の生産状況の見える化について書かせていただきましたが、今回はここで視点を変えて、サプライチェーン全体の見える化についてお話をさせていただきたいと思います。
 ご存じのとおり、サプライチェーンとは、製造業においては市場の需要量と納期から遡り、工場への適切な材料の投入までの物、時間、お金の流れを意味します。
 実際に日系製造業の中国工場では、生産する製品が中国国内向けのものであれ、海外輸出用のものであれ、長い物流時間と複数の在庫拠点が必要とされます。
 たとえ、生産ラインの見える化が実現したとしても、お客様に製品が届くまでの道筋が見えていなければ、本当の意味での儲かる仕組みの見える化は実現できません。
 当社は、すでに日本と多くの中国工場に生産スケジューラを導入させていただいております。それらのユーザー企業様より収集した様々な情報も参考にし、サプライチェーンの最適化を図る試みとして、昨年から「AsprovaSCM」という新たな製品開発に踏み切りました。
 この「AsprovaSCM」は工場内のインターナルなサプライチェーンの見える化だけでなく、工場と工場を結ぶ物理的なエクスターナルなサプライチェーンの見える化が可能な機能を持つことが特徴です。
 東日本大震災で事実上、サプライチェーン上のチェーンが切れた状態にある企業の間で、「AsprovaSCM」の導入が盛んに検討されています。震災後さらに指摘されているジャパンリスクに対応すべく、これまで以上に生産拠点を分散化させていく日系製造業にとっては、不可欠といえるものです。
 サプライチェーン上には自社以外のスティクフォルダーも多数存在しますので、スティクフォルダーを含めたより全体的な最適化は、自社内の見える化以上に、困難を極めるといえます。そこで重要なポイントは各社間の契約内容です。
 お互いの利益になる内容にするには、場合によっては自社の不利益を看過しなくてはならない場合もあります。そのため、「AsprovaSCM」は、なるべく多くの企業の利益に繋がるようにするため、日本を中心とする当社の大手ユーザー企業様が導入後、機能などを年々改善するなど進化させています。
 ご興味のある方は、ぜひ、当社の日本のホームページ(http://www.asprova.jp/scm/)をご参照ください。

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